疲れると甘いものが無性に食べたくなること、ありませんか?
これは血糖値が下がって疲れを感じると、不足したエネルギーを手っ取り早く補うために体が糖質を欲するから。しかしこの欲求に従ってしまうと、かえって疲れが倍増する恐れがあります。
確かに糖質を摂取すると、効率的に生み出されたエネルギーがすみやかに脳や体に届けられ、一時的に疲れが軽くなって頭が冴えたような感覚になります。しかし、血糖値が下がった状態でいきなり糖質をたくさん摂取すると、血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」が起こり、膵臓すいぞうからインスリンが過剰に分泌されます。上がりすぎた血糖値をもとに戻すためです。すると今度は血糖値が急降下して下がりすぎを起こし、疲労感やだるさ、イライラなどを招いてしまうのです。
また過剰なインスリン分泌によって余った糖分は、脂肪細胞に蓄積されてしまうため、肥満の原因にもなります。こうして「血糖値スパイク」による血糖値の乱高下が繰り返されると、膵臓に負担がかかって糖尿病リスクも高めることに。
コンビニに売られている糖質たっぷりエナジードリンクなどは、集中力をいっとき高めるには効果がありますが、数時間経つと効き目が切れてどっと疲れが出たりしますよね。これはまさに血糖値スパイクが起こっている証拠で、体のことを考えると、頻繁な摂取はおすすめできません。
疲労回復に有効な栄養素は、糖質よりもたんぱく質です。糖質ほど急速ではありませんが、きちんとエネルギー源になってくれますし、たんぱく質には筋肉合成のスイッチとなる「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」が含まれているので、筋疲労の回復効果が期待できます。体の疲れを改善するには、たんぱく質がもっとも有効なのです。
さらにたんぱく質に含まれる必須アミノ酸のひとつ「トリプトファン」は、幸福ホルモンの「セロトニン」を増やします。セロトニンは、脳の活性化や集中力を高める効果があり、脳の疲労感も軽減してくれます。
また、メンタルを安定させる働きもあるので、ストレスを感じた時にも最適です。仕事の合間など休憩で間食する場合は、ヨーグルトやチーズ、小魚、ナッツ類、プロテイン入りのシリアルバーなどがおすすめ。コンビニなどで買う時はできるだけ、高たんぱく・低脂質な食品を選ぶのがポイントです。脂質が少なくヘルシーなサラダチキンを小分けにして食べるのも満足感が高く、いいでしょう。
ちなみに私は、とても疲れにくい体質なのですが、日頃の高たんぱくな食生活が関係していると思います。「たんぱく質の摂取が足りていないと、疲れを感じやすくなる」という研究結果も出ていますので、疲れた時だけでなく、日頃からたんぱく質をしっかり摂っておくことが毎日を元気に過ごすコツです。
疲れやすい体質の人や日々忙しく過ごしている人こそ、糖質に頼らず、たんぱく質をしっかり摂る食習慣を心がけてみてください😏